ポイント

  1. 高齢者の入居を拒めない賃貸住宅
  2. 施設への明確な基準がないため、バラツキが大きい
  3. 今では制度が廃止され、サ高住へ切り替わっていっている

2011年まで、国土交通省の管轄下にあった高齢者向け住居の制度に「高齢者専用賃貸住宅(高専賃)」というものがありました。
今では新たに高齢者専用賃貸住宅を作ることはできませんが、まだまだ現役でサービスを継続している施設もたくさんあり、高齢者の住まいを考えるうえで候補にあがる一つとなっています。

では、この高齢者専用賃貸住宅とはいったいどんな方が利用できる施設なのでしょうか?そしてそのメリットは何なのかについてまとめました。

高齢者専用賃貸住宅を利用できる人

高齢者専用賃貸住宅を利用できる明確な基準はありません。
施設によってまちまちです。

高齢者専用なので、60歳以上、65歳以上という年齢制限が敷かれているのが普通ですが、年齢制限は制度の基準として決められたものではありません。

同様に、介護状態も自立から要介護5まで対応している施設もあれば、要介護者は受け入れられないという施設もあるため、入居前には確認が必要です。

高齢者専用賃貸住宅はどういう施設なのか

高齢者専用賃貸住宅はそもそも、一般の賃貸住宅だと断られがちな高齢者を必ず受け入れる前提で制度化されました。

どうしても高齢の方との契約には住居を貸す側としても慎重にならざるを得ません。
孤独死や、その後の物件のイメージ低下につながる可能性があるからです。

ただし、「高齢者を拒まない」というコンセプト以外に明確な基準はなく、たとえばバリアフリーでなかったり、適切でない住まいを提供していても高齢者専用賃貸住宅と認められているという問題があり、2011年にはこれを廃止して全面的に施設をサービス付き高齢者向け住宅へ切り替えていくことになりました。

サービス付き高齢者向け住宅との違いとしては、サービス付き高齢者向け住宅には施設の明確な基準がある点と、安否確認、生活相談がある点です。
実際に入居される高齢者の方にとっては(施設ごとに違いはありますが)サービス付き高齢者向け住宅の方が安心して快適に過ごせる施設と言われています。

高齢者専用賃貸住宅の費用の目安

高齢者専用賃貸住宅は、その定義で言えば高齢者へ「住まい」を提供する施設ということになります。
そのため、かかる費用は一般的な施設のように敷金と毎月の家賃、管理費が基本です。

ただし施設によっては食事サービスの提供を行ったり、介護施設を併設していたりするため、費用も一般的にいくらというのが出しづらい施設と言えます。
現に家賃6万円程度の施設から数十万円の施設までが存在している施設です。

ある高齢者専用賃貸住宅における居住費や食費の例は以下のとおり。

月額
賃料 60,000円
管理費 34,200円
食費 38,800円

この施設では入居時の敷金等も必要なく、毎月この居住費、管理費のほか、部屋での電気利用料のみ徴収となります。
食事サービスも強制ではなく、提携しているレストランとの契約次第で内容と価格が変わってくるといったもので、自由度の高さがうかがえます。

あくまで高齢者専用賃貸住宅としての賃貸住宅がメインであることがわかりますね。

ここに介護が必要な場合は併設の訪問介護サービスが利用できるため、要介護5の方でも可能な入居条件となっていました。
ただしその場合には当然介護サービス利用料として、介護保険で定められた利用料の支払いが別途必要となってきます。

また、生活に必要な用品や、介護が必要な方は介護関連の消耗品なども別途用意しなければならない点も注意が必要です。

高齢者専用賃貸住宅のメリット・デメリット

高齢者専用賃貸住宅のメリットはその制度が生まれた背景そのもので、「高齢者が入居しやすい」ということです。

どれだけ健康な状態にある方でも、高齢であるという理由で他の住居の契約を断られることがあるため、高齢であることを理由に入居を断られない住宅というのは、高齢者の住まいを守る上で重要な存在です。

デメリットはメリットの逆で、高齢者が入居しやすいことにしか着目されていない制度であったという点です。
つまり、施設によってその基準が異なるため、高齢者専用賃貸住宅とひとくちに言っても設備やサービスによる違いが大きいということ。

現在は高齢者専用賃貸住宅は徐々に設備やサービスにも一定の基準があるサービス付き高齢者向け住宅へ切り替わっていますので、このデメリットはサービス付き高齢者向け住宅を利用することで回避することが可能です。

高齢者専用賃貸住宅で働いている人

高齢者専用賃貸住宅に従事する介護職は以下のとおり。

高齢者専用賃貸住宅においては人員配置基準というものがありません。
併設または提携する介護施設から、高齢者専用賃貸住宅に居住する介護利用者にアプローチしていく形になります。