ポイント

  1. 介護職の離職者の割合は他業種に比べても多い
  2. 離職理由は現場の理念や人間関係による部分が大きい
  3. 精神的なつらさの理由が職場にあるのなら転職で解決できる

人の役に立ちたいという想いから就いた介護の仕事ですが、精神的にもつらく続けるのが困難だと思う方も多いです。
特に限界を感じた方は離職という選択を余儀なくされています。

実際にどれぐらいの方が介護職から離職されているのでしょうか。
また、このつらさの原因はどこにあるのかをまとめました。

介護職から離職する人の数

平成12年の介護保険制定時より、介護職へ就く人の数は年々増加しており、現在は当時に比べて10倍ほどの人が介護職員として働いています。
それでも介護職員の数はまだまだ足りず、これからも不足することが懸念されており、平成26年の有効求人倍率は2.1倍と全産業平均が0.95倍だったのに対し2倍以上の数値を叩き出しています。
(有効求人倍数2.1倍という数字は、介護業界で働きたい人の数に対して求人数が2.1倍ということ)

そういった状況にありながら離職者数も他の業界に比べてやや多く、厚生労働省の資料によれば平成25年度の離職率は16.6%となっています。
介護職種の離職率 – 厚生労働省

実に人数にして20~30万人が現在の職場を離れて新しい職場へと移っていることになります。
ただし、うち10万人程度は同じ介護業界の他の職種へ就いているということから、介護業界に嫌気がさしたのではなく職場への不満による離職である人が一定数を占めていることがわかります。

精神的なつらさを感じる理由

なぜ多くの介護職員が離職に追い込まれてしまうのでしょうか。
その原因は精神的なつらさにあると言えます。

介護職の離職理由の多くは事業所の理念や運営の在り方へ対する不満や人間関係によるものです。
次いで将来への不安、収入の少なさが挙げられます。

事業所の理念や運営の在り方と自身の考え方の相違

もっと利用者本位に介助を行いたいと思っても、事業所が目先の利益最優先でのやり方しか評価してくれないなど、事業所の理念と自身の介護への想いが合致しなければ仕事をしていて充実感を得る事は難しいでしょう。

逆に利用者本位になり過ぎて、利用者からの暴力や暴言への対処がされていない事業所であれば、現場は無法地帯となりかねません。

利用者から日々暴言を浴びせられていれば、いつしか「やりがいのある介護」と思っていた仕事が「やりたいこととは違う」と感じるようになってきても不思議ではありません。

人間関係

介護業界は歴史が浅いこともあり、成熟していない人が上司となることも珍しくありません。
そうなれば部下への教育の仕方がわからなかったり、上司本人も現場へ出なければならないため忙しく、そもそも教育に時間を割けないなどの問題へ繋がってきます。

そういった点から新人にもいきなり現場へ入ることが期待されることになり、現場での期待と経験の無さの差が埋められないことから新人いびりが起こる事もしばしばあります。

また、どうしても年功序列で業界での年数が長い人ほど偉い立場となってしまうため、現場のお局様に嫌われないように仕事をしなければならないという職場も多いです。

本来は利用者の為に精一杯仕事をしたいのに、同僚のために気を遣ってしまい、利用者が後回しになってしまうようだとやる気が削がれてしまうものです。

将来への不安

業界の歴史が浅いということは、将来のキャリアを思い描くことが難しいことにも繋がります。

自分がこの先どうやって頑張っていけば、誰のような立場になれるのか。
その立場になれたら職業として安定し、ずっと働いていけるのだろうか。
そういった「この仕事をしていて大丈夫なんだろうか」という将来への不安を持ちながら仕事をするのはつらいものです。

将来への道筋を提示してくれる他の仕事が輝いて見えてしまっても仕方ありません。

同様に収入が少ないことも将来への不安に繋がってきます。

どうすれば自分の環境は変化させられるのか?

もし、介護職に就いていて「限界だ」と感じる事がある場合には、どこに限界を感じる原因があるのかをまずは考えてみてください。
そのうえで、職場を変えれば解決するのか、それとも職種そのものを変えなければならないのか、はたまた自分の考え方を変えるだけで解決することなのかの冷静な判断が必要です。

介護の職場でも理念が自分の考えと合っている場所もありますし、運営方針がしっかりしているおかげで人間関係も良好である職場も存在しています。
幸い介護業界はまだまだ人手不足なので、しっかりと自分の考えに合った職場を探すことができるでしょう。

収入に関しては介護保険全体の問題となってくるので業界内での解決は難しいかもしれません。
その場合は介護で培ってきたものを活かして他業種への転職というのも一つの解決方法です。