ポイント

  1. 言語と食事から介護に携わるリハビリ職
  2. これからの高齢化社会においてなくてはならない専門職
  3. 忍耐強く、ストイックな人向けの仕事

私たちは、生活におけるコミュニケーションの実に多くを「言語」に頼っています。
文章にして書いたり、言葉として発することで相手に伝え、それを読んだり、聴いたりすることで理解します。

介護の現場においては、理学療法士や作業療法士と並ぶリハビリテーションのプロフェッショナルとして言語聴覚士のニーズも高まってきています。

そんな言語聴覚士の仕事内容、給与や職場、求められていること、そして言語聴覚士になるために必要なことについてまとめました。

言語聴覚士の仕事内容

介護利用者の中には、上手に話すことができない、聞くことが難しい、言葉を理解できない・・・と言った「言語」に関しての問題を抱えている方がいます。
「言葉」はコミュニケーションを図る時に普段特に意識することなく使っている手段なので、私たちは日常的にそのありがたみを感じることは少ないですが、「言葉を扱えない」ということは想像以上に大変で、とてもストレスになるものです。

特に「考えることはできるが、言葉として出てこない」というような失語症の場合には、そのギャップに患者さん本人のやる気が削がれてしまい、なかなか回復が難しかったりするものです。

言語聴覚士の仕事は、こうした言語障害を抱えている患者さん一人ひとりの症状を医学、心理学、認知科学、言語学といった各方面からのアプローチで治療、または訓練することで回復を図るものです。

また言語だけにとどまらず、嚥下(えんげ)障害によって食事をするのが困難になってしまった方への食事訓練も言語聴覚士の仕事に含まれます。

話す、聞く、食べるといったことは人間の基本的な喜びのひとつ。
こういった機能が回復することが介護利用者の生活意欲向上に役立っていることは言うまでもありません。

言語聴覚士の職場

言語聴覚士の職場となるのは病院や介護施設全般です。
特に介護老人保健施設のように、リハビリ職員を必ず設置しなければならない施設においては絶対的に必要な存在となります。

また、近年の主流となっている訪問看護ステーションにおけるリハビリテーションにも言語聴覚士は欲されています。

人間は誰しも年をとれば耳が聞こえづらくなったり、食事がしづらくなったりするものです。
また、場合によっては記憶障害や認知症を引き起こさないとも限りません。
特に今後、高齢者人口が急増することを考えても、言語聴覚士の存在が重要であることがわかります。

そのため、言語聴覚士のニーズというのはどの職場においても今後広がっていくことが期待されています。

言語聴覚士の給与

言語聴覚士の給与は他のリハビリ職である理学療法士、作業療法士と変わらないか、それより少し低いというのが現状となっています。

施設によってまちまちではありますが、参考までに、厚生労働省の賃金構造基本統計調査による理学療法士の平均的な年齢、勤続年数から見た平均給与は以下の通りです。
(同統計調査に言語聴覚士が含まれていないため、理学療法士の情報を参考として掲載しています。)

年齢 勤続年数 実労働時間 残業 月給 年間賞与
31.5歳 5.3年 162時間 5時間 284,000円 639,000円

介護業界で働く他の介護職員に比べると給与水準は高めですが、あくまで医療現場での給与も含めた平均値となっているため、介護の現場においてはもう少し賃金が低くなってしまいます。

とはいえ、実際の求人内容を見ても、介護施設ごとにまったく異なる給与が提示されているので、求人サイトなどでしっかりと仕事内容と給与について見比べて検討するようにしましょう。

言語聴覚士になるには

言語聴覚士は国家資格です。
そのため、年に一度の国家試験に合格しなければなりません。

言語聴覚士の国家試験の受験資格は、言語聴覚士の養成学校(大学や専門学校など)を卒業することで得るのが一般的。
卒業後に国家試験に合格してはじめて「言語聴覚士」と名乗ることができるようになります。
※養成学校以外にも、それに相当する一定基準の科目の取得している人が指定校へ通って受験資格を得ることも可能。

資格以外には、言語を失ってしまった人に接するための忍耐強さ、おもいやりなども求められます。
さらには医学、心理学、認知科学、言語学といった広い分野での最新の治療方法を積極的に学ぶといったストイックさも求められるため、利用者の回復にモチベーションをおけるような高い志を持てる人が向いていると言えるでしょう。