ポイント

  1. 11月11日は介護をより身近なものとするための「介護の日」
  2. 介護離職ゼロの意味を知らない社会人は半数以上にのぼる
  3. 多くの人が介護業界への認識を深める必要がある

11月11日は厚生労働省が定めた「介護の日」です。
介護の日は「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」を念頭に「いい日、いい日」にかけて11月11日に制定されました。

介護に関しての理解と認識を深め、介護をより身近なものとするために、高齢者や障害者等に対する介護に関し、国民への啓発を重点的に実施する日となっています。

実際には各自治体が11月11日前後の日にちに介護イベントを催し、介護への理解を深めるために注力しています。

介護離職ゼロの正しい理解は半数未満

そんな介護の日に向けて、オリックス・リビングが行った調査において「介護離職ゼロ」を正しく理解している人が5割に満たないことがわかりました。

介護離職ゼロは安倍政権が2015年に掲げた「新・三本の矢」緊急対策の第三の矢「安心につながる社会保障」が目的としているものです。

家族の介護や看護を理由に離職、転職に追い込まれる人が年間約10万人に及ぶことから、「介護サービスの基盤確保」と「人材の育成、確保、生産性の向上」という2点に焦点をあて、「介護を理由に離職しなければならない人の数をゼロにする」という意味で使われる言葉です。

このたびの調査で、働いている世代の実に半数以上の人が「介護業界の人材が足りないから離職しないようにする政策」であると勘違いしていることが判明したわけです。

全体における介護への理解はまだまだ浅く、介護離職は要介護者を抱える人だけの問題だと思っている方もいるかもしれませんが、実際には介護離職が進むことは業界だけでなく日本経済をも揺るがしかねない問題であることを知る必要があります。

介護離職がもたらす問題

家族が要介護状態になった際、介護サービスを頼ることができずに多くの介護を自身で行わなければならないとしたら、どうなるでしょうか。
仕事と介護の両立が難しく、仕事を辞めざるをえなくなるかもしれません。

もし介護を理由に仕事を辞めたとしたら、他の収入源を考える必要が出てくるでしょう。
立派に介護を務めあげ、介護から解放された時には新たに職を探す必要も出てきます。

また、問題は当事者だけに起こる話ではありません。
ある日突然同僚が介護離職することになった場合を考えてみてください。
当然その職場における生産性は人ひとり分少なくなります。

これが職場で一人二人ならまだ対処ができるかもしれませんが、これから超高齢社会を迎える日本においてはより多くの人が家族の介護を抱える可能性を秘めているわけです。

もし日本の多くの働き手が介護にその時間を割かなければならなくなったら、日本全体の生産性が落ちることも懸念されます。
そうなれば日本経済に影響が出ることは言うまでもありません。

介護離職ゼロに向けて取り組んでいる企業も

企業としても社員に介護を理由に辞められるのは避けたいところです。
社員は財産であり、社員がいなければ企業も利益を上げられないためです。

そこで介護離職ゼロに向けて本格的に取り組む企業も出てきました。

多くは介護休暇を積極的に取得できるようにすることや、介護離職をせざるを得なかった人が職場に復帰しやすくするような制度をつくるなどです。
こういった企業努力によって、家族が突然要介護状態になったとしても集中的に介護へ目を向けることが可能になり、適切な介護サービスを探して職場へ復帰するなどの選択が可能となっています。

ただ、企業側でこういった努力をしようともまだまだ社員側の理解がおいついていないのが現実です。
同僚が介護休暇を取得することをよく思わないような人もいるでしょう。

正しい介護に関する理解を広めていくことも、間接的に介護業界に貢献することに繋がります。
介護の日をきっけかにより多くの人が日本が抱える介護の問題を理解していけることが望ましいですね。