ポイント

  1. 従業員満足度が高い職場ほど離職率が低い
  2. 従業員満足度は顧客満足度や職場環境によって決まる
  3. 就職、転職の際には賃金以外にも目を向けて!

介護業界は深刻な人材不足状況にあり、各事業所は人材の流出を防ぐことと新しい人材を迎え入れることが喫緊の課題の一つになっています。

あるデータによれば現役介護職員のうち「退職したい」という願望を抱えている人の割合は3割にも上ると言われています。
ただでさえ人材不足であるところに離職希望者が増えてしまう背景にあるのは「人間関係を含む職場環境」と「賃金の低さ」でした。

介護職は一般職業の平均より賃金が10万円程度低いため、本当に生活に困ってしまうレベルの方がいることが否めません。
こういった方はより賃金の高い職場への転職が余儀なくされています。

問題は「職場環境」によって離職を考えている人です。
貴重な人材が職場環境のせいで離れてしまうのはとてももったいないことです。

職場環境と離職についての関係について調べてみました。

従業員満足度が高い職場では離職が少ない

株式会社リクルートキャリアが2017年1月23日に発表したプレスリリース記事「HELPMAN JAPAN 『介護サービス業従業員満足度調査』」によれば、現役の介護職員へのアンケートにて「介護サービス業の従業員満足度が高い層ほど、勤続意向が高く、より従業員満足度が高い層が働いている施設では、人材(正規従業員)の流出率が低い。」という結果が出ていました。

つまり、働いている人が充実していれば離職に繋がりにくいということです。
人事的な観点から言えば至極当然のことなのですが、介護職のような現場叩き上げの人が経営者や幹部になるような職場ではこういった事実が見逃されている傾向にあると考えられます。

なぜ従業員満足度が高いと離職しないのか

同アンケートによれば、従業員の満足度は顧客満足度や、ロボットやITの導入といった職場環境に影響を受けていることがわかっています。

顧客満足度が従業員満足度に直結するのは介護職に限らずサービス業においては一般的に知られています。
たとえば飲食店であれば、顧客が美味しいと言ってくれることが従事者にとっての喜びに繋がるなどが挙げられます。

介護ロボットの導入や、IT端末上で利用者の状態がチェックできるなどの職場のハイテク化も、便利になるという側面だけでなく従業員に対して上級の職場で働いているという感覚を与えられます。

先輩職員や上司が尊敬できる、経営者が現場にも顔を出している、施設に明確なルールがあるといったような職場環境は「きちんとした職場で働いている」という喜びが得られるものです。

このようにして従業員の満足度があがれば、おのずとその職場へ貢献したい気持ちも高まりますし、転職しても今以上の職場には出会えないという思いからも離職を減らすことに繋がってくるわけです。

従業員満足度は賃金だけでは決まらない

ではなぜこういった従業員の満足度を高めることに消極的な現場が多いのでしょうか。
顧客満足度を高めることには一生懸命でも従業員の満足度を高めることはまだまだ疎かであるという経営者もいます。

理由はいろいろとあると思いますが、そのうちの一つが「従業員満足度は賃金で決まる」と思い込んでいる部分だからではないでしょうか。

たしかに離職理由の上位には「賃金」を問題とする声があったため、あながち間違いとは言えません。
ただ、賃金が低くとも高い満足度をもって働いている人は多いですし、賃金についた従業員は他所がもっと高い賃金を提示すればそちらに流れてしまうものです。

介護サービス事業の経営者は従業員満足度を高めることが離職を食い止める手段の一つであるということを忘れてはいけません。
同時に、これから介護職に就く、転職をするという方は賃金面だけでなく新しい職場の経営理念をしっかりと確認するようにしたいところです。