ポイント

  1. 介護保険を支払う年齢を引き下げる方向に
  2. 日本は介護保険後進国である
  3. 年齢引き下げに伴うメリットもあるのか見守っていく必要がある

日本の介護保険制度はまだまだ世界的に見て後進的だと言えます。

ドイツやオランダ、スウェーデンと言った欧州諸国においては、社会保険にて要介護者を支えるのに年齢や障害種別による区別はありません。
それに比べて日本では、介護保険の第一号、第二号被保険者でない限り、いかなる要介護状態であったとしても介護保険を受け取ることはできないからです。

2016年8月の末日に厚生労働省は、急速な高齢化による介護費用の増加を原因に、介護保険制度の存続が難しくなるとして、介護保険料の負担対象を「収入のあるすべての人」に拡大する方針を固めました。

この問題に対して、私たち国民はどう考えていくべきなのでしょうか。

介護保険負担者と被保険者の現状

現在、介護保険制度の保険料を負担しているのは、第一号被保険者として65歳以上、第二号被保険者として40歳~60歳の方となっています。
40歳未満の方は介護保険を支払っていません。

そして、実際に要介護認定を受けた場合に、介護保険を利用して介護サービスを受けることができるのは、原則として第一号被保険者である65歳以上の方のみ、となっています。

ただし、特定疾病と言われる16種類の病気に起因する介護のみ、第二号被保険者も適用されることがあります。

その代わり、40歳未満の介護保険を支払っていない世代の人たちは、いかなる要介護状態であろうとも介護保険を受けて介護サービスを利用することはできません
その場合は完全に自己負担か、個人保険、障がい者向けの福祉サービス、医療保険での医療サービスを利用するということになります。

要介護状態は年齢に左右されるのか

ここで気になるのは、40歳未満は要介護状態にならないか?ということ。

答えはNOです。
40歳未満でも、いくらでも要介護状態になる可能性は秘められています。

たとえば交通事故の影響で歩くことはおろか、身の回りのことができなくなってしまった、なんてことは身近で起こりうる話です。

そんな時、日本の介護保険制度では40歳未満の方は確実に介護保険が適用されませんし、特定疾病に起因していない介護状態なので第二号被保険者である64歳の方たちも適用されません。

つまり、要介護状態は年齢に左右されないのに対し、介護保険は年齢に左右されてしまうのが現状なんです。

欧州諸国での例

冒頭で述べたドイツにおける介護保険の場合、介護保険被保険者は20歳からとなっています。
つまり20歳から保険料は支払わなければならないわけです。

その代わり、年齢による制限がありませんので、たとえ20歳にならずして要介護状態になったとしても介護保険が適用されます。

さらには要介護状態になった原因も問われませんので、日本のように「事故で介護状態になったのならダメ」ということにもなりません。

スウェーデンなどの北欧の場合はもっと極端で、高額な税金の代わりに医療費負担や学費なども公費で賄われている現状です。

いかに日本が介護においての後進国であるかがわかる例と言えるでしょう。

私たちはどうしていくべきか

さて、今回の厚生労働省の発表によれば、「介護サービスを利用できる年齢を現在の原則65歳以上から引き下げることも検討する」ということでした。
逆に言えば、介護保険の利用年齢は引き下がらずに、保険料を支払う範囲だけが拡大する可能性もあるわけですね。

当然若い世代からは不満の声があがることが懸念されますが、介護保険制度が破たんすれば結局は若い世代にしわ寄せがいってしまうもの。

介護利用者は2015年には過去最大の600万人以上にのぼったと言われています。
介護保険制度について、もっと広い世代がもっと当事者として臨んでいく必要があるのではないでしょうか。