ポイント

  1. 介護ロボットに世界から注目が集まっている
  2. 国はロボット導入事業者への報酬増制度を検討
  3. 現場ではロボット導入で笑顔が増える例も

介護業界の人手不足はこれから超高齢化社会を迎える日本にとって、より深刻な問題へと発展していくことが懸念されます。
これはもはや要介護者や介護業界で働く人だけの話ではなく、要介護者を抱える家族となりうる人すべて、またはそうした家族を抱えた人が働く職場関係者などを含めれば実に多くの人にとって関係する問題になってくると考えられます。

そんな介護業界の事情に対して、介護ロボットへの期待が高まっています。
介護ロボットを導入することは、業界を救うことに繋がっていくのでしょうか。

介護ロボットに高まる期待

2016年10月末に日本で開催されたアジア最大級の介護イベントであるAgeing Asia Innovation Forumにおいて、これから超高齢化社会を迎える日本が、テクノロジーをどのように介護に活かして対応していくのかといった点に諸外国から注目が集まりました。

テクノロジーを活かした介護と言えば、介護ロボットが頭に浮かびます。

介護ロボットというと、1からすべての介護を全自動でやってくれるロボットを想像してしまいがちですが、ロボットの技術も急にそこまで進歩することはありません。
現時点であれば、排泄のタイミングを予知し、知らせてくれるといった機能限定的なロボットということになります。

ただ、それだけでも実際の現場からすれば大きな助けになることは間違いないでしょう。
こうした日本発の介護ロボット技術は超高齢化社会を迎える日本市場において段階的に実現されていき、いずれは世界標準となっていくのではないかと思われます。

介護ロボット導入事業者には介護報酬増を検討

2016年11月2日には経済産業省の審議会において、最新技術の普及を目的として介護分野でのロボット導入事業者に対して介護報酬を増やすように制度の見直しをする議論が行われました。

ロボットの導入により人的な負担が減り、同時に介護報酬も増えるのであれば、事業者にとっては初期の導入コストを考えても十分なメリットを得られることになります。
そして人的な負担が減るということは直接的に人手不足の解消にも繋がってくることが期待されます。

介護ロボットの導入に政府の後押しがあることは深刻な人手不足に悩む介護業界において救世主となりえるのかもしれません。

介護ロボット導入で現場が笑顔になる理由

ただし、介護ロボットの導入には肯定的な意見ばかりではないのも事実です。
利用者の中には「ロボットに手伝わせるなんて、物扱いするな」と声を荒げる方も存在しています。

介護にはどこかしら「人の手でやるもの」というイメージが残っており、ロボットによる介護と聞くとどうしても「機械的」「人の血が通っていない」という点から毛嫌いしてしまうのも仕方ないのかもしれません。

ただ、それはもしかしたらロボットに対する認識が違うだけで、イメージをすり合わせることで解決できる問題である可能性もあります。

事実、介護ロボットを導入している現場においては、介護負担が減ることで介護者に余裕ができ、利用者との関係性が向上するという例もあがっています。

介護は決して体を張って利用者をケアすることだけを指すのではなく、利用者の心のケアも必要であることを考えれば、介護者の負担が少しでも少なくなる介護ロボットはどんどん導入していくべきと言えるでしょう。

介護の現場といっても、若くて体力が溢れている介護者のみが働いている事業所ばかりではありません。

特にこれから20年もしないうちに国民の3人に1人は高齢者という時代がやってきます。
高齢者が高齢者を支えなければならない時代が来るからこそ、技術で支えられる部分は技術で支えていく体制を今のうちから整えておく必要があると言えるでしょう。